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胴裏2010.11.19 Friday
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女物袷長着を仕立てる場合、裏地は胴裏と八掛を付けます。男物の場合は、花色木綿などを使って通し裏にする場合が多いが、女物のように胴裏、八掛を付ける場合もあります。
その胴裏ですが、地のしをしても殆ど詰まらない(縮まない)のですが、胴裏によっては袖丈の長さで2分くらい詰まるものもあるので注意が必要です。
先日、お客様持ち込みの胴裏があり、いつも使用している胴裏と同じ感覚で地のしをしてヘラ付け、お袖を途中まで縫って躾をかけてコテを当てると、どうも落ち着きが悪い。表地の紬が少し波打った感じになっているのは、裏地がきつい証拠です。つり合いはしっかり見たつもりなのに、こうなるのは裏地が詰まったとしか考えられません。
こうなった場合は、いくらここでコテを当てようがアイロンを当てようが直るものではありません。潔く解いて、胴裏にしっかりアイロンを当て直しました。そうすると、最初のヘラ付けより2分弱胴裏が縮んでいたことがわかりました。
着物の仕立ての難しいところは、袷着物のつり合いです。生地によって伸縮率が違うので、縫う前にその違いをなるべく少なくすることが、良い仕立て上がりの着物となり、お客様が着用されても袋が入ることなく、何年経っても変わらない着心地を提供できるのだと思います。